異世界おじさんがおもしろい。
なにがおもしろいって、OPの歌詞ががっつり異世界おじさんなのに、かっこいいところだ。ズルいw
いわく、セガネタでコメディで異世界ものジャンルすらネタにした日常もので
まあうんまあうん。
導入部の紹介についてはそれで間違ってはいないだろう
異世界おじさんの面白いところは、ファンタジー作品として成立しているところだ。
単行本派なので、7巻時点での考察になるわけだが
アニメではどこまでやるのだろうか?2話で1巻を消費しているわけだから、7巻序盤までやってしまうのかもしれんなあ、ほぼほぼ全部じゃん
この時点でよく言われてるのは、現代帰還の際に、おじさんは自分の記憶を消しているんじゃないのかとか。あるある
記憶消去の魔法はたかふみに魔法の実在を証明する以前の物語冒頭から使われる。
記憶を消している説が真であるなら、まさに冒頭から伏線が張られているわけだ。
記憶消去を最後のどんでん返しに設定し、あとは適当に異世界もののパロディで内容を掻き散らす。あるいはそういう組み立てなのかもしれないですが
緻密に伏線が練り込まれているのような気配があったりなかったり
異世界、グランバハマルの世界観。一見、転生物のテンプレにのっとっているかに見える。
1.神的な存在がいて、何度か日本人をグランバハマルへ召喚している。ただし、その目的は不明。
2.凍神剣の入手など、召喚者がこなすべきクエストが設定されている(ただし、おじさんはガン無視。)
神がいて、予定調和的な筋道が存在し、でも、おじさんはそれに従わないんですよね。
グランバハマルでのおじさんの足跡は、最終的に日本に帰還する、というのが決定事項です。だが、実はこれも少し不思議な話で、他の召喚者はグランバハマルで一生を終えている。
単純に、上記二つ世界観と結果、それと記憶についての考察を組み合わせると
神が日本人を召喚したが、予定の行動をとらないので、記憶を消して追放した。
という筋書きがでてくる。ただの組み合わせなので、これが真とはぜんぜん限らないが
そしてかたや現代日本でおじさんがやっているのは、記憶の再生であり、追体験である。ちょっと面白いよね。
日本人を召喚しているのに、日本語で語りかけない「神」
グランバハマルではおじさんが醜悪なゴブリンに見えるが、メイベルにはそうは見えていない。おそらく日本人が化け物に見える呪いがかけられている。
攻略ルートを設定しながら、それを妨害する不審な意図も感じされるんですよね
あるいは神と神以外の対抗勢力がいるのかもしれない。
おじさんの魔法は、精霊と対話することでイレギュラー的に顕現したものですが
例えば、背景に神対精霊みたいな世界観をでっちあげると、途端にハードなファンタジーになる。
それが正解かはともかく、見た目よりはるかに純然たるファンタジーなんだよなあこれ。
この物語が、何者かに奪われた記憶を取り戻すため試行錯誤して現代日本であがいているおじさんの物語だとしたら、異世界もののパロディとか言ってる評価すら覆る。
いまだ、おじさんの戦いは続いているのかもしれない。
神が攻略ルートを設定し、多くの召喚者がそれに挑んだが、彼らはグランバハマルで命を落とした。おそらくそういう風にできているのだ。おじさんは神のルートに従わない。SEGAユーザーだからだ。これはSEGAユーザーのみに許されたチャート。
この物語がどのような結末を迎えるかは連載を待つほかはないが
ともあれ、SEGAを選んだ者の行く末に幸あれ。
追記
劇中の発言とストーリーの流れの矛盾ってのがあって気になったんだが
2巻12話の発言によると、おじさんの強敵の攻略スタイルは「なんども頑張って工夫して」なんだよね。でも、エルフを助けた時の3巻16話の魔毒竜戦では、一発必中で倒しているように見える。また、メイベルがらみの魔炎竜戦でも大した戦闘は語られない。
全編にわたり、「何度も頑張って工夫して」戦っている描写がないんすよ。この祖語がねえ。
でも、この矛盾を埋める方法ってのが、あるんす。
言いたかないけど「死に戻り」である。なんとなく拒絶反応が出そうな発想で、できれば考えたくないが、「リセットボタンがあるゲーム機世代」のおじさんとしては、当然の戦法のようなきもする。
この場合、強敵に挑む過程で、戦闘に勝利できるまで、殆どのケースで死んでいるのである。